診療案内
スケジュール
| 午前 | 午後 | |||
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| 月 | 12:30~13:30 院内ミーティング |
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| 火 | 10:00~11:30 初診者家族教室 |
11:30~12:30 初診者ミーティングA |
12:30~13:30 初診者ミーティングB |
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| 水 | 10:00~11:30 親のグループ |
12:30~13:30 アルコール講座 |
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| 木 | 12:30~13:30 初診者アルコール講座 |
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| 金 | 12:30~13:30 本人・家族合同ミーティング |
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| 土 | 10:00~11:30 女性ミーティング |
11:45~12:45 土曜日初診者ミーティング |
13:00~14:30 家族グループ |
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アルコール依存症
「私たちは、誰も病気になろうと思って飲んできたわけではありません。しかし、病気になってしまい、病気に翻弄されながら、人とのつながりを失い、孤独の中で傷ついてきました。
だからこそもう一度、人とのつながりの中で、仲間の中で、社会の中で、生きていきたいのです。そうしなければ、酒をやめ続けることはできないのです。」
~ある患者の言葉~
アルコール依存症は、飲酒すれば、誰でも罹りうる危険性がある疾患であり、潜在的な患者数は数百万人とも言われています。病気である以上、治療が必要となりますが、特効薬があるわけではなく、ひとりで克服することが非常に困難な病気です。病気の特徴をとらえて、「進行性で死に至る病気」「回復する病気」「家族全体の病気」と言われています。
「進行性で死に至る病気」
徐々に飲み方が変化する中で、身体的・精神的健康を失います。内科的には、肝障害だけでなく膵炎や脳の萎縮などの多臓器障害を引き起こすこともあります。このように病気が進行し依存が深まると、社会的信頼を失い孤立が進み、心は枯れ、ついには死に至ります。
「回復する病気」
進行性の病気、死に至る病気ではありますが、回復可能な病気でもあります。一旦、依存症になってしまうと、以前のように節度のある飲酒(節酒)は難しく、完治することはありません。しかし、完全に飲酒をやめること(断酒)を継続することで、多くの人々が回復して、いきいきとした生活を取り戻しています。
「家族全体の病気」
飲酒により本人が起こすトラブルや生活の乱れに、何とか対応しようと、家族や周囲の人は一生懸命になります。しかし、尻拭いや後始末に疲れ果てた家族は、心身ともに不健康な状態に陥ってしまします。
3つのコントロール障害
アルコール依存症は、徐々に進行する中で、様々なものを失います。その原因は以下の3つのコントロール障害です。
「飲酒のコントロール」が難しくなる中で、「感じ方・考え方のコントロール」が難しくなり、その影響を受け「対人関係のコントロール」が難しくなるといった悪循環がおこり、喪失の連鎖が始まります。どのコントロール障害が重いか、またどのコントロール障害から始まるかなど個人差はありますが、この3つのコントロール障害の悪循環をくるくると繰り返しながら、依存は深まっていきます。
1. 「飲酒のコントロール障害」
アルコール依存症は、アルコールを上手にコントロールして飲むことができなくなる病気です。肝障害や糖尿病などの身体合併症を引き起こしても、お酒をやめることが困難です。また、飲む量だけでなく、飲む時間や飲み方などにおいてもやめようと思ってもやめられない状態になります。お酒をやめない限り、最後は肉体的な「死」を迎えることになってしまいます。
2. 「感じ方・考え方のコントロール障害」
アルコール依存症は、身体だけでなく、心にも様々な障害を引き起こします。長い年月に渡って、酔いの中で生活していると、適切な考えができなくなったり、自分の感情を感じ取れなくなったりします。お酒に心が囚われることで、「お酒と自分」しかなくなり、他者に対する思いやりを失い、「何もかも相手が悪い」という他罰的な思考や、「自分なんてどうせだめだ」といった自己否定感に陥ります。本来、健康な自分が持っていた感じ方・考え方が失われ心が枯れていきます。
3. 「対人関係のコントロール障害」
病気の進行とともに考える心や感じる心が歪んでいくと、必ず対人関係にも支障が起きてきます。人との約束を破ったり、その場しのぎの嘘をついたり、自分でも気づかないうちに家族や友人など身近な人だけではなく、周囲の人を傷付けてしまうことで、社会的な信頼をも失っていきます。その結果、対人関係のコントロール障害が起き、誰からも信じてもらえず、社会的に孤立する状態になってしまいます。
アルコールが引き起こす多臓器障害
Ⅰ)アルコールが直接作用するもの(薬理作用による障害)
Ⅱ)栄養不良によるもの(食事量、下痢などの胃腸障害に伴うビタミンやタンパク質の不足)
アルコールによって障害を受ける主な臓器
肝臓
- 脂肪肝 → アルコール性肝炎(倦怠感) → 肝硬変(黄疸、腹水、脾腫・血球減少、手掌紅斑、クモ状血管腫、胃食道静脈瘤、肝性脳症)
- ウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)の増悪
- 肝癌の発生促進 (すでに癌があった場合、増悪しやすくなります)
膵臓(すい臓)
- アルコール性急性・慢性膵炎(激しい心窩部・背部痛、重症化すると死亡することも)
- 糖尿病 → 網膜症(失明)、末梢神経障害(手足のしびれ・痛み)、腎症(透析導入)
胃腸
- 胃炎(心窩部痛)潰瘍ができることもある。また、粘膜の刺激等により、食道癌や胃癌が発生することも。
- マロリーワイス症候群(吐血)飲酒や嘔吐を繰り返していると、突然粘膜が裂けて出血
- 胃食道静脈瘤(吐血)肝臓での血流が悪くなり、行き場のなくなった血液が、胃や食道の小さな静脈に流れ込み、血管が腫れてきます。(破裂すると大出血、緊急性高い)
心臓
- アルコール性心筋症(心肥大 → 息切れ・動悸 → 心不全)
- 心筋梗塞などのリスクも上昇 → 突然死
脳
- 脳萎縮(ろれつが回らない、歩行困難、人格変化など→人間的な生活が困難に)
- ウエルニッケ脳症(ビタミンB₁欠乏)
コルサコフ精神病
① 物忘れ (記銘力障害)
② 時間場所人物がわからなくなる (見当識障害)
③ その場しのぎで作り話やウソを言う (作話) - ペラグラ (ニコチン酸欠乏 → せん妄、皮膚炎、下痢)
- 脳血管障害のリスクも上昇 (脳梗塞、脳内出血など)
神経、骨、筋
- アルコール性神経障害(手足のビリビリ)・筋肉障害(筋痛、筋肉減少)
- 骨粗粗鬆症 (骨折しやすくなる)
- 大腿骨頭壊死 (痛み、歩行困難)
生殖器
- 胎児性アルコール症候群
- 男性不妊 (インポテンツ、精子減少)
小谷クリニックでは、内科+精神科の両面からの治療が可能です。
治療の3本柱
1. 「通院と教育プログラムへの参加」
アルコール依存症は、長い経過の中で進行する病気ですので、治療にも長い時間を要します。長年の飲酒により、身体面・精神面だけでなく、日常生活や人間関係にも、多くの障害が起きています。このような生活問題を抱えたまま、ひとりでお酒をやめ続けていくことは、非常に困難です。当院では、内科・精神科の両面から病気の治療を行うとともに、様々な生活問題に対処していくために、定期的な通院と病気を正しく理解するための教育プログラムへの参加を勧めています。
2. 「抗酒剤」(注:医師の処方が必要です)
抗酒剤とは、アルコールを分解する酵素の働きを抑える作用がある薬です。これを服用してお酒を飲むと、ひどい二日酔いの様な症状が出ます。「飲みたい」という欲求が起こった時に、抗酒剤を服用していることが、欲求にブレーキをかけることの一助になります。また、抗酒剤を飲むという行為自体が、今日一日「お酒をやめよう」という気持ちを確認する作業にもなります。特に通院当初の不安定な時期には「転ばぬ先の杖」としての服用を勧めています。
3. 「自助グループへの参加」
アルコール依存症からの回復は、断酒する事だけではなく、生き方の変化や自分自身の成長をも意味します。自助グループのミーティングや例会で体験談に耳を傾け、また、語ることによって、これまでの生き方を振り返り、自分自身を見つめることができます。体験談を語ることは、過去の出来事に対する懺悔ではなく、自分自身を許し、癒していく作業です。そして、人の体験談を聴き、共感することで、おのずとお酒をやめていく仲間を作ることができます。自助グループには、新たな人生を歩んでおられる方が多くいます。
外来治療について
アルコール依存症の治療と言えば、かつては入院治療が主流でしたが、大阪では約30年前より「治療の3本柱」を軸とした外来治療が発展してきました。当院でも、外来治療のメリットを活かした医療を実践しています。
外来治療のメリット
- 入院治療よりもご本人にとっては、治療に対する抵抗が少ない
- 強制的な断酒とは違い、ご本人のやめていこうという自主性が尊重されやすい
- 通院回数や通院時間(夜診の利用)など、治療の形態が柔軟である
- 個々の回復の流れに沿って、長い目で見た関わりが可能である
- 日常生活のなかで治療を行うことが可能なため、地域の自助グループに参加しやすい
- 日常生活のなかで、お酒をやめ続けていくことが本人の自身につながる
- 様々な生活問題やアルコールによって引き起こされた障害に適切な援助ができる
- 家族にとっては、ご本人がお酒をやめようと努力をしている姿や回復をしていく経過が見えやすい
などが特徴として、あげられます。
医療費・生活・家族問題などの相談
通院をされる皆様にはそれぞれ担当のソーシャルワーカーがいます。
通院中に生じる医療費・生活・家族調整などについて、ソーシャルワーカーが相談にのらせていただきます。
何か困ったことがありましたら、些細なことでも、一人で悩まず、お気軽に声をかけてください。